2021年09月05日
正当事由【せいとうじゆう】
正当事由とは、貸主が賃貸借契約の解約を申し入れるために必要な条件のこと。借主の場合は、期間内解約条項があれば、理由は必要なく一方的に解約することができるが、貸主の場合は、解約するための理由が正当でなければ、一方的に解約することはできない。その理由として、次の5つに大別することができる。(1)貸主自身が居住し、または営業する必要がある、(2)貸主の親族または従業員が使用する必要がある、(3)やむを得ず生計のために売却する必要がある、(4)借家の大修繕あるいは取壊しの必要性がある、(5)貸主が立退料を提供したとき、など。正当事由は、借主の事情も斟酌されて、貸主にそれを上回る逼迫した事情がない限り認められない。なお、定期借家契約では、契約期間の満了により確定的に契約が終了するので、期間満了で契約が終了する場合は正当事由や立退料という概念はなく、貸主は契約の終了を定期借家の法律に基づいて明示しておいた方がよい。